こんな人におすすめ
- 派遣保育士は時給良いけど嫌われるの?
- 派遣保育士のデメリットはないのかな
- 正社員を辞めて派遣保育士でもやっていけるかな
正社員で保育士をしていると、本当に仕事が終わらなくて、同じフルタイムで働いている派遣保育士の先生はワークライフバランスが取れていて羨ましく感じるのではないでしょうか。
でも、実際のところ「派遣保育士でも生活していけるのかな」「正社員やパートの先生との関係が悪くなったりしないのかな」と不安になりますよね。
結論、派遣保育士はワークライフバランスを整えて、ゆるく働くことができますよ。
派遣保育士になることで、人間関係の悩みも仕事量も減らすことができます。
ただし、メリットばかりではなく、所属する派遣会社選びを間違えると、今よりヤバイ状況になりかねません。
この記事を読んで、理想の保育士を目指しましょう!
派遣保育士はゆるく働ける
派遣保育士は働き方の希望を伝えた上で契約するので、条件に合う職場を見つけやすく、自由度の高い働き方ができるのです。
- 固定時間勤務
- 平日のみ
- 時給の交渉
ワークライフバランスを自分で整えることができるので、心身に余裕が生まれ、ストレスなく仕事をすることができますね。
派遣保育士とは?仕事内容や給与、正社員やパートとの違い
派遣保育士とは、人材派遣会社と雇用関係を結んだ派遣スタッフ(保育士)が、派遣会社に紹介された保育施設で働く保育士のことをいいます。
正社員やパートの保育士は、働いている保育施設に直接雇用されていますが、派遣保育士の雇用主は派遣会社となります。
派遣 | 正社員、パート | |
---|---|---|
雇用主・給与の支払い | 派遣会社 | 保育園 |
契約期間 | 有期雇用(原則1つの園では3年が上限) | 無期雇用(パートは有期の場合もある) |
社会保険、福利厚生等 | 派遣会社の規定が適用 | 保育園の規定が適用 |
実際の保育業務に関しては、派遣先の保育施設に準ずることになりますが、勤怠管理や給与の支払い・福利厚生などは人材派遣会社が行います。
派遣保育士のメリット
派遣保育士として働いてみた私が感じたメリットをご紹介します。
- 時給が高い
- 固定時間で働ける
- 残業がない
- 派遣会社のサポートがある
- クラスリーダーにならない
時給が高い
派遣保育士の時給は、直接雇用のパートやアルバイトより高いことが多いです。
それは、派遣社員は、雇用期間が決まっていることや、ボーナスや退職金がないこと、即戦力を求められていることなどが理由に挙げられます。
1つの保育施設で最長3年までしか働くことができず、その後は別の施設を探さないといけません。
雇用が不安定になりやすいことから、時給に上乗せされているようです。
実際に私もパートから派遣保育士に変わったことで時給が200円ほど上がりました。
月に160時間働いたとすると、32,000円も多くなり、その差は大きいですよね。
固定時間で働ける
正社員で働く時にしんどいことの一つが、シフトではないでしょうか。

遅番からの次の日は早番が辛かったです…
毎日同じ時間に勤務ができるだけで、生活リズムも整うので心身の安定に繋がりますよね。
9時~18時まではもちろん、子どもがいない時間だけ、などの固定時間も可能です。
希望の時間に合う職場を紹介してくれるので、自分で交渉せず好きな時間帯で働けますよ。
残業がない
サービス残業が当たり前の保育士の仕事ですが、派遣保育士だと定時で上がれます。
契約で決められた勤務時間を守られるようです。



少々バタついていても「上がって~!」と帰らせてもらえていました。
定時で上がれるので、仕事後の予定も立てやすいですね。
なお、基本的に残業をせず帰れることが多いですが、まれに残業があった時には派遣会社がきちんと残業代を支給してくれましたよ。
「サービス残業ばかりで残業代が出ない」なんてことはないのは安心できますね。
派遣会社のサポートがある
入職前の時給や勤務条件の交渉や、入職後の要望などを保育園側に自分で言うのはハードルが高いですよね。
言いたいことがあっても「言いにくいから」と飲み込んできた経験がある方もいるのではないでしょうか。
派遣保育士だと、派遣会社が間に入ってくれるので、自分で言わずに会社から園側に伝えて交渉までしてくれるのです。



私が利用していた派遣会社は、定期的に「困っていることはないですか?」と連絡をくれて、安心感がありました。
人間関係の相談や労働環境で困った時など、サポートしてくれる体制が整っていることは心強いですよね。
クラスリーダーにならない
正社員の大変なことと言えば、担任の責任感ですよね。
経験が浅い頃は先輩の先生と組んで副担任となることが多いですが、一人立ちするのもあっという間ではないでしょうか。
そうなると、クラスとしての最終責任を負うことになるので、責任感もある上に、仕事量も増えますよね。
派遣保育士 | 正社員 | |
---|---|---|
担任業務の負担 | ||
お給料 |
派遣保育士だからといって担任にならないわけではありませんが、主担任になることはよっぽど希望しない限りないはずです。
仕事に余裕があるので子どもたちとじっくり関わることができますね。
派遣保育士のデメリット
派遣保育士良さそう!と感じた方も多いと思いますが、残念ながらデメリットも少なからずあります。
- 雇用期間の上限が決まっている
- ボーナスがない
- 自分のやりたい保育をしづらい
雇用期間の上限が決まっている
自分に合う保育園で働けたとしても、派遣保育士でいる限りその園で働ける期間は決まっており、それ以降はまた違う保育園を探さないといけません。
派遣保育士として1つの保育園で働けるのは3年が上限となっています。
雇用形態を変えることでそのまま働ける場合もありますが、勤務条件も変わってしまう可能性もあります。
慣れ親しんだ職場を離れなければいけないのは辛いですね。
ボーナスがない
メリットのところでもお話しましたが、派遣保育士にはボーナスがありません。
いくら時給がいいとはいえ、世間でボーナスの時期に自分だけないのはやはり寂しいですよね。



以前勤めた保育園では、パートもボーナスがあったので羨ましかったです。
「ボーナスを夏の旅行に充てる」などもできないため、まとまったお金が必要になりそうであれば、計画的に貯めておかなければいけませんね。
時給制のため、ゴールデンウイークや年末年始など、長期休暇のある月も収入が減ってしまうことも念頭に置いておく方が良さそうです。
自分のやりたい保育をしづらい
派遣保育士になる人の多くが、それまで保育士としての経験がある方が多いでしょう。
経験があるほどに自分なりの「保育観」ができてきますよね。
派遣保育士になってからも担任をすることになると、その保育観を元に自分なりの保育を自然としているものです。
しかし、派遣先の保育園独自の保育のやり方が決まっている場合、自分の保育観を違っていても園の方針に合わせなければいけません。
- トイレトレーニングを一人ひとりの発達に合わせたいけれど、幼児クラスになるまでに全員オムツを取らないといけない
- 個性を大切にしたいけれど、決まった色を使って見本と同じように絵画を描かせないといけない
子どもと丁寧に向き合えると思って派遣保育士になったはずが、合わない園に行くと、また自分の思いを押し殺して働かないといけません。
派遣保育士の悩み
デメリットと重なるところはありますが、悩みやすいことを紹介します。
- 職場の人となじみにくい
- 保護者から頼ってもらえない
- キャリアアップしにくい
職場の人となじみにくい
保育園で働く人は正社員や直接雇用のパートが多いため、派遣保育士は「時給の高い派遣さん」という位置づけになりがちです。
そのため、どこかよそよそしく接せられることが多いです。
休憩の時にもパート同士で盛り上がる中に入っていくのは勇気がいりますね。
仕事終わりや休みの日も職場の人と遊びたい方には、あまりおすすめできません。



私も今までみたいにすぐに仲良くなれない状況に戸惑っていた時期があります。
しかし、仲良くなりにくい反面、面倒な人間関係があったとしても契約期間が終わると離れられるところはメリットですね。
保護者から頼ってもらえない
基本的に保護者対応をするのは正社員です。
主担任の手が空いていない時は派遣保育士も保護者と話すことがありますが、大事なことはあまり話しません。
保護者対応の例 | 派遣保育士 | 正社員 |
---|---|---|
その日の様子 | ||
ケガやトラブル等 | ||
保護者からの子どもの相談 |
ケガのことなどを伝えるのは責任が重いですが、そういったことも含めて保護者との信頼関係を深めることができますよね。
そのため、保護者が困った時などは主担任を名指しされることが多く、寂しさを感じてしまうこともあります。
キャリアアップしにくい
2017年からキャリアアップ制度が導入され、それに伴い保育士に役職が設けられました。
役職につくことで処遇改善加算という手当てが毎月つきます。
役職につける保育士には条件があり、クラスリーダーにもならない派遣保育士は役職につくことはありません。
そのため、キャリアアップするためには正社員の方が良さそうです。
とはいえ、正社員になってから研修を受けに行くのは大変なので、派遣のうちに受けておき、正社員になってすぐに役職を目指すのもアリですね。
経験年数は派遣保育士でも加算されるので、保育士としてのキャリアを積むことはできますよ。
派遣保育士が嫌われる理由
派遣保育士にメリットがある分、妬まれやすいところもあるのが現実です…
- 時給が高いから
- 責任が軽いから
時給が高いから
メリットで挙げたように派遣保育士は時給が高いです。
そのため、同じ仕事をしているのに給料がいいことで面白くないと思う人もいますよね。
派遣保育士
- 時給1400円
- 余裕のある暮らし
パート
- 時給1200円
- 余裕のない暮らし
実際、私も「時給いいんでしょ?」と聞かれたことがあります。
お金のことはデリケートなので大っぴらにしないことをおすすめします。
責任が軽いから
同じ担任業務をしていても、派遣保育士と正社員では責任が違います。
派遣保育士 | 正社員 |
---|---|
保護者対応が少ない | 保護者対応が大変 |
残業なし(残業代あり) | 残業あり(サービス残業) |
責任が軽いのにお給料がいいと、「ズルい」と思われてしまいますよね。
派遣保育士が悩んだ時の対処法
1人で抱え込まずに相談できるところがあるのは派遣保育士の強みですよ。
- 派遣会社に相談する
- クラスを変えてもらう
- 保育園を変えてもらう
派遣会社に相談する
派遣会社に相談すると、会社から園に伝えてくれます。
そのため、自分でどうにかしなくてはいけないストレスがなく、改善されることが多いです。
話を聞いてもらうだけでも気持ちも軽くなりますよね。
クラスを変えてもらう
クラス内で人間関係に悩んでしまったら、クラスを離れられたらベストですよね。
年度途中で担任が変わることはよほどのことがない限り難しいでしょうが、クラス担任ではない「フリー保育士」になら変えてもらえる可能性があります。
クラスを離れるだけでも随分働きやすくなりますね。
保育園を変えてもらう
クラスだけではなく、「同じ保育園にいるのが無理!」な場合は、派遣先の保育園を変えてもらえないか相談してみましょう。
契約期間が決まっている場合、その間は変更できないこともありますが、交渉することで短くしてくれる可能性もあります。
会社や勤務条件によって契約期間も異なるので、確認してみてください。



私の場合は3か月更新でした!
悩む前に自分で気をつけておくこと
嫌われたり悩んだりする前に、日頃から心がけておくと良いことを紹介します。
- 「派遣だから」と手も気も抜かない
- 掃除や雑用も嫌な顔をせずやる
- 感謝をする
「派遣だから」と手も気も抜かない
周りから「派遣さん」と思われやすいことはお伝えしましたが、自分自身が「私は派遣だから」とお高く留まっていては元も子もありません。
- 主担任の動きを真似て動く
- 全体を見てクラスを回す意識をもってフォローしていく
上記のことをしていれば、たいていの先生には感謝してもらえるはずです。
まれに良かれと思ってしたことでも癇に障るタイプの人もいるので、主担任に逐一確認を取りながら動いていくとコミュニケーションも取れてなお良いですよ。
掃除や雑用も嫌な顔をせずやる
正社員は仕事が多いです。
そのため派遣保育士に掃除や雑用が回ってくることも多いです。
「雑用をするために派遣になったのではないんだけどな…」という気持ちもありますよね。
しかし、正社員にしかできない仕事も多いですから、その他のできることをやらないと仕方ないですよね。
【A先生】
雑用もササっとやる
正社員の仕事もはかどる
人間関係が良くなる
【B先生】
雑用は嫌な顔をする、遅い
仕事を頼みづらくなる
人間関係がギクシャクしていく
掃除や雑用はサッと終わらせて次の仕事をもらい、「仕事ができる人」と思わせるくらいの気持ちでやってみてください。
感謝をする
どんな仕事をしていても、自分から「ありがとう」の言葉が出ている人と人間関係が悪くなることはありません。



私が派遣で働いていた時に一番気を付けていたことが、「笑顔と感謝」です。
いろんな人間関係がある保育園でしたが、派遣の私も気持ちよく接してもらえていましたし、もちろんいじわるされるようなこともありませんでした。
人間関係さえ良ければ、少々しんどいことも乗り越えられますよね。
大人への感謝は効果抜群ですよ。
派遣保育士になるには
「派遣保育士をやってみよう」と思っている方は、まずは派遣会社に登録しましょう。
面接や採用とは違って、今までの経歴を入力したり、ヒアリングしてもらったりすることで簡単に登録できます。
登録することで非公開求人も教えてもらうことができます。
ただし、やみくもに派遣会社を選んでしまっては、ブラック保育園に当たる可能性があるので気を付けましょう。
- 保育系の派遣会社であること
- 派遣会社は2~3社登録すること
- 求人数が多いこと
- 優良派遣事業者の認定を受けていること



私の失敗談ですが、自分の中で「4月始まり・3月終わり」に縛られていたことで、派遣会社選びも保育園選びも焦って決めてしまい、ブラック保育園に行ってしまったことがあります。
案外、年度途中でも求人は多く、辞める・働き始める人もいますよ。
私が利用していたおすすめの派遣会社も紹介するので参考にしてくださいね。
よくある質問
- 福利厚生は使えますか?産休育休制度は利用できますか?
-
派遣会社の福利厚生が使えます。
産休・育休も条件を満たすことで利用できますよ。
【産休(産前産後休暇)】
- 産前6週間(双子以上は14週間)、産後8週間
- 対象はパート・アルバイト・派遣も含む女性労働者
【育休(育児休業)】
- 原則子どもが1歳に達するまで(保育園に入れない場合は1歳6ヶ月まで延長もできる)
- 対象はパートやアルバイト・派遣も含む男女労働者
- 勤続1年未満、週の所定労働日数が2日以下の場合は対象外
- 雇用継続の見込みがあること(育休中に雇用期間が終了する場合は更新の見込みが必要)
参考:厚生労働省
- 有給休暇をもらえますか?
-
会社によって多少異なりますが、条件を満たすことでもらえます。
- 雇用契約から6か月以上同じ職場で勤務している
- 全労働日の8割以上勤務している
職場には休暇を取りたい旨を伝えておくと共に、派遣会社にも有休申請をすると取得できましたよ。
- 副業はできますか?
-
会社の規定によりますが、できる会社が増えてきています。
ただし、「同じ業種は不可」など条件がある場合があるので確認してみてください。
まとめ 派遣保育士として大切にしたいこと
派遣保育士だからといって嫌われるわけではありません。
一社会人として、周りの人とコミュニケーションを取りながら働いていれば、楽しく保育の仕事ができます。
派遣保育士ならではのメリットを活かして、素敵な保育士ライフを送ってくださいね。
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